
10年以上前に音楽療法をしていたクライアントから連絡が届いた。その当時、彼は小学校高学年だったが、自閉症スペクトラムがあるためnon–verbal(非言語的)だった。毎週シンシナティ市内のオフィスで個人セッションをしていた日々を思い出す。彼は音楽が大好きだったので、音楽を通じてコミュニケーション能力を向上させることが主な目標だった。
”Thanks a lot(どうもありがとう)”という曲が特に好きで、セッションの最後に必ず唄った。そのときの彼の大きな声を今でも覚えている。
問題行動も多く、音楽療法士になりたてだった私はどう対応すればいいかわからない時もあった。そして、そういうときほど彼は暴れた。彼のニーズがようやく理解できた頃、問題行動は減った。
そんな彼がいつしか大人になり、Facebookを通じて「友だちリクエスト」を送ってくれた。今は仕事もしているらしい。障がいと共に生きていることに変わりはないが、周りのサポートがあり、愛情に包まれている様子がわかった。
彼は小さい頃から音楽療法を受けていて、中学校に入ってからは音楽療法士が学校に出向いてセッションをしていた。長年の音楽療法は、彼の人生に大きな影響を与えたのではないかと思う。私が彼をみたのは数年ではあったが、音楽療法士として彼の人生に携われたことに感謝。
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