一回しかない「最期のお別れ」を、
かけがえのない時間にするために――。
大切な人との死別はつらい。
あまりのつらさに誰もが打ちひしがれるだろう。
そもそも私たちは死に逝く人の気持ちがわからない。
だからこそ遺される家族は途方に暮れてしまう。
「何を考えているかわからない」
「一緒にいるのがつらい」
私たちは、どうすれば末期の患者さんに寄り添い、
サポートすることができるのだろう?
本書は、1200人以上の人生を見届けた
ホスピス音楽療法士が、24の実話を紹介しながら、
穏やかな「見送り」のあり方を提案する希望の書だ。
■本書の構成
はじめに
第一章 死に直面した人の心の変化
- 孤独感
- ショックと否定
- 怒りと悲しみ
- 不安と恐怖
- 希望
第二章 大切な人のために家族ができること
- やり残したことを叶えるためのサポート
- その人の人生の物語を知る(ライフ・レビュー)
- 正直な会話をする(そのための3つの言葉)
- 象徴的なメッセージを見逃さない
- 音楽で気持ちを伝えるためのヒント
第三章 グリーフについて――悲しいのは、当たり前のこと
- グリーフを経験している人の心
- 遺される子どものグリーフについて
おわりに
Reviews
死期が迫ると、人は生命を維持してきたものを何もかも必要としなくなり、身体は枯れていくようになる。そうした患者さんの見た目の変化は目でわかるが、心の変化は見えない。だが実際は、患者さんの心は、孤独感やショック、怒り、希望などでぐるぐると、めまぐるしく変わっていく。具体的には、患者さんの心で何が起きるのか。遺(のこ)される家族は、患者さんのために何ができるのか。大切な人を失った悲しみ(グリーフ)をどう乗り越えればいいのか。著者は、ホスピス緩和ケアを専門とする米国認定音楽療法士。その緩和ケアの音楽療法の活動を通して感じた、大切な人と穏やかな別れをするためにすべきことを、先の三つのフェーズに分けてまとめている。ー三浦 天紗子(サンデー毎日)